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【ブルアカ】妄想イベント『トリニティ自警団の一番長い夜』~ミニストーリー集~

初めに

前回の記事の続きになります。当記事の内容は、本ブログ等で掲載したトリニティ自警団SSの前日談・後日談になるので、上記記事をまだお読みになっていない方は、先にこちらから読んでいただけたると内容も理解しやすいかと思います。

最初に投稿した2024年11月2日から台詞など大きく変わっている個所もあるので、一度読んでいただいている方もこの機会に再読していただけたら幸いです。

本編

01 受け継がれる意思

スズミ
スズミ

ふぅ……こんなところでしょうか。この周辺もかなり片付きましたね。

レイサ
レイサ

そうですね!それにしても、学園を救った影の英雄であるスズミさんが”草むしり”だなんて……。いくら何でもひどすぎますよ……。

スズミ
スズミ

何を言っているのですかレイサさん。むしろ環境美化活動で”済んでいる”ことに感謝しなくてはなりません。

スズミ
スズミ

任務とはいえあれだけの騒ぎを起こしたのですから……。

スズミ
スズミ

他の皆さんが無事に学園生活に復帰できると聞いた時は心底安心しました。皆さんのことを同じ自警団として騒動に巻き込んでしまった形になりましたから……。

レイサ
レイサ

そんなこと言わないでくださいよスズミさん!学園で再会した団員の皆さんもおっしゃっていたではないですか!

トリニティ自警団員A
トリニティ自警団員A

(回想)スズミさん、私はトリニティ自警団としてあの任務に参加できたことを誇りに思います……!

トリニティ自警団員E
トリニティ自警団員E

(回想)またいつか、共に自警団として活動できる日を楽しみにしていますよ。

トリニティ自警団員H
トリニティ自警団員H

(回想)最後までご一緒できて光栄でしたスズミさん……。

レイサ
レイサ

「誰かがやらないといけないこと」スズミさんはよくそうやっておっしゃられますが、それは皆さんも同じ気持ちです。

レイサ
レイサ

正義実現委員会に命令されたからではありません。みんな自分の意思で武器を手に取り、戦い、平和を勝ち取ったのです!後悔などあるはずがありません‼

スズミ
スズミ

ありがとうございます……そう言っていただけて気持ちが少し軽くなりました。私も今回の任務を引き受けて良かったと心から思います。

レイサ
レイサ

礼には遠く及びません!当然のことを言ったまでですから!

レイサ
レイサ

それと、ナツミさんの事、ハスミ様から少し聞かせていただけました。お知り合いだったんですね……。

レイサ
レイサ

すいません……そうとは知らず、任務中に発破をかけるようなことを言ってしまって……。

スズミ
スズミ

気にしないでくださいそんな事。第一、向こうは私のことを覚えていなかったようですし。

レイサ
レイサ

”同じ”なんですね……。

スズミ
スズミ

それは、どういう……。

レイサ
レイサ

す、すいません!何でもありません!気にしないでください!

レイサ
レイサ

…………。

~一年前~

レイサ
レイサ

は……離してください……!

ヘルメット団A
ヘルメット団A

コイツか~?最近ここいらの不良生徒に片っ端から喧嘩吹っ掛けるチビってのは?

ヘルメット団B
ヘルメット団B

バカだよな~そこいらのただのチンピラならいざ知らず、ウチら”ヘルメット団”に喧嘩売ろうなんてさ。

ヘルメット団C
ヘルメット団C

こういうのは一回”痛い目”見ないと分かんないんだって。おい、いつもの場所に行こうぜ、今回のオモチャはコイツで決まりだ。

レイサ
レイサ

ひっ…………(お願い……!誰か助けて……‼)

???
???

一人相手に三人がかりとは卑怯ではありませんか?

ヘルメット団A
ヘルメット団A

あぁ?ウチらに何か用で…………うグッ⁈(ドサッ)

ヘルメット団B
ヘルメット団B

いっ……いつの間に⁈それに一発で……。

スズミ
スズミ

彼女から離れて下さい。遊び相手が欲しいのなら私が相手になりましょう……!

ヘルメット団C
ヘルメット団C

コイツ、只者じゃない……。

ヘルメット団C
ヘルメット団C

こ……今回はこのくらいにしてやる……!覚えてろよ!次会った時はこうは行かないからな!

スズミ
スズミ

”次”ですか……私としてはもう会いたくは無いのですが……。

レイサ
レイサ

あっ……あの……。

スズミ
スズミ

お怪我は無いようですね。この辺りは治安が悪いのでこれからは用心してください。それでは私はこれで。

レイサ
レイサ

あっ……ありがとうございました‼

レイサ
レイサ

(しまった……名前を聞きそびれてしまいました……あの”バッジ”を付けた方は一体……。)

レイサ
レイサ

(あれからトリニティに入学して、スズミさんと自警団の存在を知って、私も後を追うように活動を始めました。)

レイサ
レイサ

(助けた側は覚えていなくとも、助けられた側はきっとそのことを忘れない……。)

レイサ
レイサ

(私たちトリニティ自警団は、そんなたくさんの輪が繋がってできた仲間なんですね!)

レイサ
レイサ

スズミさん、私、トリニティ自警団のことが前よりも好きになりました!

スズミ
スズミ

以前よりも好きに……?不思議なことを言いますね。あんなことがあったのにですか?

レイサ
レイサ

”あんなこと”があったからです!私、ほとぼりが冷めたら、また自警団活動を始めようと思うんです。今度は、前よりもっと確かな志を持って取り組めるような気がするんです‼

レイサ
レイサ

す……すいません!スズミさんの前でこんなこと……。調子に乗りすぎですよね……。

スズミ
スズミ

…………いいえ、そんなことありませんよ。そうですね……”その時”が来たら私もご一緒させてもらってもいいですか?

スズミ
スズミ

今のトリニティで、一人で自警団活動を行うのは私も少し心細いですから……。

レイサ
レイサ

もちろんですよ!スズミさん‼「自警団のスーパースター」と「トリニティの走る閃光弾」私たちがコンビを組めば向かうところ敵なしですね‼

スズミ
スズミ

ふふっ……。これからが楽しみですね。

スズミ
スズミ

(そう……”これからも”ずっと続いていく。平和を願う心がそこにある限り、私たち「トリニティ自警団」の活動は……ずっと……。)

02 再起

~トリニティ総合学園・留置所~

正義実現委員会部員A
正義実現委員会部員A

314番!面会時間だ、外に出ろ。

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

「面会」ですって?今更になって誰が何の用で?

正義実現委員会部員A
正義実現委員会部員A

相手は救護騎士団団長、蒼森ミネ様と聞いている。くれぐれも失礼のないように。

ミネ
ミネ

………………。

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

………………。

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

それで、貴方ほどのお方が私のような犯罪者にいったい何のご用で?事件について話せることは正義実現委員会に全て話したつもりですが。

ミネ
ミネ

単刀直入に申します。あなたに救護騎士団本部への転属を命じます。あなたにはもう一度、救護騎士団として学園のために働いて欲しいのです。

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

…………はい?急に何をおっしゃられるかと思えば……正気ですか?つい数週間前まで、この学園の反逆者として銃を握っていた人間ですよ。その手で、もう一度人々を救護しろとでも?

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

第一、貴方もお調べになったはずでしょう。私は、一年前に実績も資格も全て剥奪されているのですよ。今更、救護騎士団に戻ることなど……。

ミネ
ミネ

そのデータが”今ここに全て揃っていたとしても”ですか?こちらをご覧ください。

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

そんな……全て抹消されたと聞いていたはずなのに……どうしてここに。

ミネ
ミネ

正義実現委員会がナツミから押収した物品の中に、あなたたち構成員全ての情報が記録されたメモリが見つかりました。あなたのこれまでの救護実績や資格の大半は、そこから発見されたものです。不足している分はシャーレの先生にも協力していただいて復元しました。

ミネ
ミネ

ナツミはこのデータについて言及はしていません。彼女がなぜこのようなものを収集していたかは我々には分かりません。

ミネ
ミネ

単なる人心掌握の材料としてなのか、それとも”このような日”が訪れることを見越していたのか、あるいはその両方か……。

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

………………ナツミ様。

ミネ
ミネ

拝見させていただきましたが素晴らしい実績です。これまで都市部から離れた小さな支部で、よくぞここまで尽くしてくれました。退部の件も聞いています。さぞお辛かったでしょう。

ミネ
ミネ

もういいんですよ。自分をお許しになっても……。

ミネ
ミネ

最後にお聞きします。その手腕を、優しき心を、救護騎士団ひいてはトリニティのためにもう一度役立ててはみませんか?

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

………………。

ナツミ派の生徒B
ナツミ派の生徒B

…………うっ……やります……やらせてください…………精一杯がんばります……夢じゃない……もう一度、もう一度やれるんだ…………。

ミネ
ミネ

ありがとうございます。本部で共に活動できる日を楽しみにしていますよ。

03 任務の続き

~トリニティ・救護騎士団の治療室~

セリナ
セリナ

お疲れ様でした!これで怪我の治療はひとまず完了です。これからは絶対安静ですよ!酷い怪我だったんですから……。

スズミ
スズミ

感謝します。心配されなくとも、しばらくはまともに動けそうにありません。”聴耳会”も控えていますから今は治療に専念します。

セリナ
セリナ

……そのことについてなんですけど。

セリナ
セリナ

どうしてあんなことをしたのですか……?これまでスズミさんの怪我は何度も診てきましたが、あなたが傷つくのはいつだって優しい理由だったはずなのに……。

セリナ
セリナ

トリニティの一生徒として感謝はしています。薄々気が付いている方もいるはずです。トリニティ自警団のおかげで事件が丸く収まったと……。

セリナ
セリナ

でも、そのためにみんなから悪者扱いにされて、こんなにボロボロになって……。

セリナ
セリナ

私には何も分かりません……。政治的な駆け引きも、自警団の皆さんの思いも、事件の真相も。だから教えてください。どうしても……どうしても……。

セリナ
セリナ

「スズミさんがやらないといけないこと」だったんですか……?

スズミ
スズミ

………………‼

セリナ
セリナ

ご……ごめんなさい!私、そんなつもりで言った訳じゃ……。

スズミ
スズミ

……分かっていますよ。すみません……今の私の口からは何も言えません。

セリナ
セリナ

そうですか……それではこれで失礼します。お薬、ちゃんと飲んでくださいね……。

スズミ
スズミ

(あんな顔をされるなんて思っていませんでした……。)

???
???

本当に真面目なお方ですね。あなたは……。

スズミ
スズミ

いつからそこに?ハスミさん。

ハスミ
ハスミ

丁度、今来たところですよ。先ほど廊下で顔を真っ赤に腫らしたセリナさんとすれ違って何となく察しました。

ハスミ
ハスミ

事件は収束したも同然、彼女になら打ち明けてもよかったのですよ……。

スズミ
スズミ

そういう訳にもいきません。「トリニティ自警団暴動の首謀者」として聴耳会に出席するまでが私の任務ですから。

ハスミ
ハスミ

……つくづく惜しいと感じます。あなたのような生徒が正義実現委員会に入部しなかったことが。

スズミ
スズミ

さぁどうでしょうか。自由だからこそ、ここまでやれているのかもしれません。

スズミ
スズミ

それにしても、セリナさんの問いには正直面くらいました……。素直に責められる方がずっとマシだったような気がします……。

ハスミ
ハスミ

申し訳ありません……。セリナさんには、いずれ私の方から説明します。

スズミ
スズミ

大丈夫ですよ。彼女には、自分の口から説明します。これまでも散々お世話になっていますから。

ハスミ
ハスミ

彼女なら、きっと理解してくれると思いますよ。

ハスミ
ハスミ

いえ、彼女だけではなく、この学園全体が、いずれ”貴方たち(トリニティ自警団)”の勇気と正義の意味に気が付くはずです。

ハスミ
ハスミ

これまでよりもきっと素晴らしい学園になると思います。あなたが守ったトリニティは……。

スズミ
スズミ

私も、そう信じています……。

04 誓いの朝に

~トリニティ・大聖堂~

ナツミ
ナツミ

……………………。

ナツミ
ナツミ

(いよいよ明日か……。長かった……我々の悲願もようやく……。)

マリー
マリー

……………………。

ナツミ
ナツミ

……ごきげんよう。いつからそこにいらしていたのですか?

マリー
マリー

も……申し訳ありません!ただ、こんな朝早くにお祈りに来られる方は珍しかったものですから。

ナツミ
ナツミ

それは失礼いたしました。大聖堂の扉が開いていたものですからつい……。すぐにお暇させていただきますね。

マリー
マリー

いえいえ、この学園の大聖堂は昼夜問わず解放されていますから。いつでもいらしてください。それと……。

マリー
マリー

随分と思い詰めたご様子ですが、何かお悩みでも?その……もしよろしければ、ここでお話ししてはいただけませんか?微力ではありますが、シスターとして私もあなたのお悩みに少しでも寄り添えたらと思いまして。

ナツミ
ナツミ

「懺悔」というものでしょうか。そうですね……それでしたら、少し聞いていただけますでしょうか?

マリー
マリー

はい!もちろんです。

ナツミ
ナツミ

………………………………………………………………………………………。

ナツミ
ナツミ

………………………………………………………………………………………。

マリー
マリー

……そうでしたか。あなたはとてもお優しい方なのですね。

マリー
マリー

私もこれまで様々な立場の方からお話を聞いてきました。

マリー
マリー

誰かを傷つけてしまったこと、傷つけられたこと、思わず耳を塞いでしまいたくなるような”後悔”と”悲しみ”の数々……。

マリー
マリー

でも、全てをさらけ出した後、最後に絞り出すように呟く言葉は、いつも優しい言葉ばかりでした。

マリー
マリー

心の奥底に通う気持ちは皆同じなのです。他者を思いやり、平和を望むとても温かな気持ち……。

マリー
マリー

これは、シスターになって初めて気が付いたことです。

マリー
マリー

だから大丈夫ですよ。あなたがその優しを忘れない限り、いつか相手もきっとその想いに答えてくれるはずです。

マリー
マリー

少なくとも私は、今日あなたがお話ししてくださったことを決して忘れません。

ナツミ
ナツミ

そうか……フフッ……。

マリー
マリー

(急に雰囲気が……。)あ……あの……。

ナツミ
ナツミ

時間を取らせてしまって済まない、礼を言う。貴様、名前は?

マリー
マリー

き……きさ⁈伊落マリーと申します……!

ナツミ
ナツミ

そうか、覚えておこう。悪いがこのあたりで失礼させてもらう。貴様と話しているとようやくついた”決心”が揺らぎそうになるのでな。

マリー
マリー

あの……あなたのお名前は……?

ナツミ
ナツミ

名前?そうだな……いずれ分かるさ。近ければ明日にでも……。機会があればまた会おう。

マリー
マリー

(あのお方は一体……?)

最後に

拙い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

最近、SSを書くためにブルアカのストーリーなどを読み返していて気が付いたのですが、フィーナの苗字って「朝比奈」なんですね……。しまった、と思い急いで変更しました(汗)

トリニティ自警団という不遇な組織を活躍させるのに、同じく不遇気味なキャラのことを見落としていたのは不覚でした……。反省してます。フィーナファンの方申し訳ございません。

また、SNSなどで感想を書いてくださった皆さん本当にありがとうございました。書いていた時には気が付かなかった新たな視点も生まれて非常に良い経験になりました。機会があればまたSSも書いてみたいと思います。

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